刺し子糸について

刺し子に使用するのはどんな糸いいのか?「刺し子糸」ってどういう糸の事を言うのだろう?

と、疑問に思ったことはないだろうか。
世の中にはいろんな糸が売られており、初心者の方は特に最初の糸選びに戸惑うはずだ。
と言うのも「刺し子糸」と言う商品名で各社メーカーから販売されているがそれぞれ微妙に規格が違うからだ。規格というのは、糸の太さ、撚りの強弱、糸の構成(何本の糸を撚り合わせているか)。そこに綿、絹、麻、ポリエステルなどの組成も加わる。
戦国時代以降に綿が普及し、刺し子といえば綿糸が広く使われている(メーカー刺し子糸は全て綿)。
そもそも糸(及び繊維)というのは繊維長という読んで字の如くその繊維の持つ長さがあり(人で言う身長みたいなもの)、短繊維と長繊維に大別される。綿は繊維長が3cmほどしかないので糸として使用するにはその短い繊維を繋げないといけない。それが紡績という工程を経て初めて糸になる(簡単に言うと捻って絡ませて糸にしている)、そこでできた一本の糸をさらに複数撚り合わせ強度を持たせている。
刺し子糸以外にも用途に合わせて手縫糸、家庭糸、しつけ糸、穴糸、刺繍糸などいろんな種類があるので冒頭の一文を各糸メーカーが規格を考え製品として販売されている。なのでそれぞれ微妙に違って当然といえる。
さらにいうと糸メーカーは糸のメーカーであって針のメーカーではない。逆もまた然り。糸は針に通して使うのであって針とうまく調和しないとどんな糸でも使いにくい。

現代的には刺し子といえば花ふきんに見られる柄を刺すことを目的としているので糸目がはっきりわかるような太めの糸が主流である。糸が太くなれば自ずと針も太くなる。刺し子において「柄を作る」というのは一つの要素なので、晒し布、シャツやジーンズの繕いなど刺す対照に合った糸、針選びが必要になってくる。
そのあたりもワークショップでは話しています。

襤褸の刺し子ワークショップについて
2/17(土)、3/16(土)、4/20(土)
初級の会 10:00-12:30 繕いの会 13:30-16:00
https://tsurumi-print.com/event/10704/

※写真は針置きにしている羊毛フェルト、いろんな太さの針と糸を刺している。
(羊毛の持つ脂分が錆止めにもなるのでこれを使っている)

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